こんにゃくQ&A

こんにゃくに白と黒があるのはなぜ?

その昔、こんにゃくはこんにゃく芋をすり潰して製造されるのが一般的でしたが、その方法では原料のこんにゃく芋を各地に運搬するのに限度があり、(すぐ痛むので)原料産地周辺でしかこんにゃく造りがなされていませんでした。
200年ほど前に、このこんにゃく芋を乾燥させて粉にする技術が考案され、各地でこんにゃくが広く造られる様になりました。

粉にするとは、簡単に言いますと、こんにゃく芋を薄くスライスし乾燥させて、その乾燥したものを臼と杵でついて粉砕したものです。 こうする事によって、水分がなくなり、遠方に運搬しても大丈夫になりました。ただ、製粉の過程で、こんにゃく芋の粉末は不純物が取れて白っぽくなり、この原料を使って製造したこんにゃくは、白く仕上がります。
特に関西方面では、生芋主体であったため、白いこんにゃくは消費者に受け入れられない時期がありました。
そこで海藻の粉末などを入れて見た目を黒くしたのが黒いこんにゃくの始まりです。 関東方面では白いこんにゃくが一般的ですし、また関西方面では黒いこんにゃくが一般的です。

海藻の種類は、以前はひじきなどを用いておりましたが、最近ではアラメやカジメといった黒い海藻を使用するのが一般的です。

普通の板こんにゃくと生芋こんにゃくの違いは?

普通の板こんにゃくは黒色ですが、生芋こんにゃくは薄い茶色をしています。
これは「こんにゃく粉」から造られる普通のこんにゃくと、「生芋」から直接加工される生芋こんにゃくの違いです。

普通の板こんにゃくは、こんにゃく芋を製粉に加工したものに、海藻などの粉末を入れて造られます。製法もメーカー様によって若干異なりますが、通常、大造(オード)式と呼ばれる製法にて製造をします。
\昔から行われている伝統的な製法でもっともポピュラーな製法です。

一方、生芋こんにゃくは、生のこんにゃく芋を仕入れて、すり潰し、そのまま製品に加工します。
製法も異なり、低い温度からじっくり加熱する「缶蒸し製法」を行っております。低温から加熱し一晩熟成させますので、非常に弾力性のあるこんにゃくが出来ます。
また生の芋を直接加工することにより、こんにゃく本来の風味が活かされており、凝固剤(水酸化Ca)も普通の板こんにゃくより少なくてすみます。何より大きな違いは、こんにゃく粉を地面に植えても芽は出ませんが、こんにゃく芋を植えると芽が出ます。

当然の事ですが、「生芋」の方が自然に近いと言うことです。
私どもの生芋原料は、群馬産の厳選されたこんにゃく芋を瞬間冷凍にかけそれを冷凍保存し一年を通じ使用しています。
また、香久山美人がある奈良県産の生芋も一部商品で使用しています。

こんにゃくはアク抜きしたほうがいいの?

こんにゃくのパッケージにはよく「アク抜きをして下さい」と言う文言が書かれています。
そもそも「アク」とは何でしょう。
アクとは一般的に、水酸化Caのことを指します。水酸化Caはこんにゃくを製造する過程において大変重要な役目を持っています。商品の裏面表示などで「凝固剤」と書かれているのがこの水酸化Caです。この水酸化Caによって、あのこんにゃく独特のプルプルとした食感が得られます。
しかし強いアルカリ性ですので、商品の中に多く含まれると、おいしくありません。食べる前には、しっかりとアク抜きをしていただいたほうが、よりおいしく召し上がっていただけます。
「アク抜き不要」というこんにゃくも販売されていますが、これは従来のこんにゃくよりも水酸化Caの量を減らしているだけで、まったくアクが入っていない訳ではありません。
おいしく召し上がっていただくためには、少しご面倒ですがアク抜きをお勧めします。

こんにゃくをごぼうと炊いたら色が変色したんだけどなぜ?

ごぼうには色素成分「クロロゲン酸」という成分が含まれています。
ごぼうのあく抜きが不十分であったり、新鮮なごぼうを一緒に炊くとこんにゃくのアルカリ成分と反応して、青や緑に変色することがあります。 品質には問題ありません。

こんにゃくを冷蔵庫に入れておいたら、小さくなったのですが?

これはこんにゃくの水分が抜ける現象です。この現象を離水といいます。歯応えが堅くなり、風味は少し落ちますが、食べる分には問題ありません。
しかし、できるだけ離水する前にお召し上がりください。

白滝と糸こんにゃくの違いって?

関東地方では江戸時代、現在と同じ製法で造ったこんにゃくを「白滝」と呼んでいたそうです。
現在の製法とは、こんにゃく粉を水で溶き、糊状の状態で細い穴に通して糸状のこんにゃくを製造するやり方です。

同じ頃、関西地方では、板こんにゃくを細く切って糸状にした物を「糸こんにゃく」と言っており、元々は明らかに違う物であったと言われています。
しかし現在は、「糸こんにゃく」も「白滝」も江戸時代の関東の製法で造られますので、両者を区別するものはなく、関東地方では「白滝」、関西地方では「糸こんにゃく」と呼ばれています。また、「糸こんにゃく」をより細くしたものを「白滝」と呼んでいるところもあります。